坊守のつぶやき

2019.09.10  東井義雄さんのお寺を訪ねて

9月5日、安芸北組坊守研修会で、東井義雄さんのお寺にお参りさせていただきました。写真のように、本堂から見わたす山や田畑は、心が美しくあるはずの景色でした。

自分と同じ小学校の先生をしておられた、働き盛りの40代の息子さんが、突然倒れ植物状態に・・・その現実を受け止め、教育者としてまた仏縁をいただかれた住職として、多くの言葉を残されました。お聞きしたお話の中から、少し書き出してみます。

「悲しみをとおさないと見せていただけない世界がある」

「身自当之無有代者」(仏説無量寿経より)

  身みずからこれにあたる 代わるものあること無し

  代わってもらうこともできなければ、代わってやることもできない

  自分の荷は自分で背負って生きるしかない

「一寸先は闇」

  「一寸先は闇」 ということばが思われてならない

 一人や二人がこういうことに 出合ったのではない 十人や百人がこういうことに 出合ったのではない

 何千 何万 という人だちがこういう 思いがけないことに 出合ってきたのだろう

 しかも それは今にはじまった ことではない 何十年 前にも 何百年 前にも 何千年 前にも

 こういう 思いがけない できごとに 多くの人が 出合って きたのであろう

 そして誰というとなしに「一寸先は闇」と つぶやき 続けて きたのであろう

 その「一寸先は闇」ということばを いまわがこととして 私は噛みしめさせてもらっている

 

そして最期の残された言葉は

 「一度きりの 尊い道を 今歩いている」  

 だったと記されていました。

たくさんの著書もありますし、東井義雄で検索すれば、多くの残されたお言葉にであうことができます。

 

 

 

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