坊守のつぶやき

2020.09.21  お彼岸ですね

いつの間にやら秋の気配。はなみずきも赤い実をつけました。

秋の空、秋の空気、秋の色、様々な感覚で季節の移ろいを感じることができます。

仏教は、人間が生きること、人生そのものが苦であると教えます。

根源的な四苦、生・老・病・死に加え、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦を合わせて八苦を示されます。

特に社会生活を送る中では、怨憎会苦(おんぞうえく)は苦しみの原因となることが多いように思います。怨み憎んでいるものと会わなければならない苦しみと言われますが、怨みとまではいかなくても、日常で自分の思いと違う人に対して嫌な思いを抱くとき、そこにとらわれる自分にも嫌気がさすことがあります。もうその場にいたくない、できればその人と会わずにすむところにいたい・・・そんな思いになることもしばしばあります。

でもそんな私が、そのまま許されて生きていると思うと、何とも恥ずかしくて、そして有難くて、もったいなくて。

私は仏さまの教えに出会い、そう転じることができるようになりました。

あ~本当に出会わせてもらってよかった・・・・と思います。もし出会わせてもらっていなければ、私はどこまでいっても、怨みのまま、憎しみのまま、自我は膨らむばかりであっただろうなと。

腹が立ったり、悲しかったり、情けなかったり・・・苦しみはなくなりませんが、転じる世界をもう一ついただけること、それが救われるということなんだな~と思います。

 

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