今月の「声に出して読みたい親鸞」(草思社発行)は『極重の悪人は、ただ仏の称すべし』(正信偈)でした。
齋藤孝先生は、仏弟子アングリマーラの話を紹介されています。師にたぶらかされて、千人の殺害を実行しようとしたところ、千人目にお釈迦さまに会い、自分の罪深さに気づき、仏弟子となって救われていくというお話です。「悪人正機説」のもとになったともいわれているお話ですが、親鸞聖人は「人間は縁によってはいかなる行為をしてしまうのか・・・」と述べられていますが、アングリマーラのお話を自分の身に受けられたものだと思います。齋藤先生も「悪人とは、他の誰彼ではなく、親鸞自身であり、私たち自身のことです。」と記しておられます。