住職・若院の部屋

2020.04.08  花まつり お釈迦さまのご誕生

4月8日はお釈迦様がお生まれになった日、花まつりです。今回、品秀寺の「花まつり法座」はコロナウイルスの影響で中止となり、とても残念に思います。

 花まつりには、お釈迦様の誕生像に甘茶をかけるという催しが受け継がれています。この起源は、お釈迦様の誕生時にお体を香水で洗われたなど様々に伝説が残っています。その事に加え、インドでは仏像を日常的に洗浴(せんよく)するそうです。猛暑のインド。僧侶達も水浴しますから、仏像も同じようにするようになったのでしょう。

 お念仏を深くよろこばれたご門徒の中に讃岐の床松(しょうま)さんという方がおられました。ある暑い夏のこと、床松さんはお仏壇のご本尊を外して青竹の先に結わえて、風のそよぐ軒下に吊るしてお念仏をしておりました。ある人が通りがかりどうしたのかとたずねると床松さんは「親様も涼しかろう。」と言ったそうです。お昼前に草取りから帰り、汗だくの中、一休みしようとした床松さんはお仏壇の阿弥陀様をみて、暑かろうと思い、涼しい風の吹く軒下へと持ち出したのでした。

 インドの僧侶が自らも水浴するようにお仏像も洗う。床松さんがご本尊と共に軒下で涼む。今回、皆様とともに花まつりで甘茶をかけることはできませんでしたが、仏様を仰ぐ方法は様々です。ご自宅にお仏壇のある方は、それぞれのやり方で花まつりのお祝いをしてみてはいかがでしょうか。                                (記:若院 一道)

     2015年の花まつり法座

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