住職・若院の部屋

2021.02.15  涅槃会(ねはんえ) お釈迦さまが亡くなられた日

 2月15日は、お釈迦さまが80歳で亡くなられた日とされています。約2600年前のことですから、はっきりした日時が限定できるわけではありませんが、お釈迦さまがこの世にお生まれになられたことは事実ですから、生まれたものには亡くなる日があるのは当然のことです。4月8日がお生まれになった日として〝花まつり〟としてお祝いします。

 お釈迦さまの亡くなられた日を〝涅槃〟(ねはん)と表現されます。涅槃とは、インドのことばでは「ニルバーナ」といわれます。私たちの言葉でも、火を放つものを「バーナー」といいますが、ニルバーナとは〝火が吹き消された〟という意味です。火とは、あらゆるものを燃やし、燃え広がるものですが、人間が肉体を有していると悩みや痛み、暑い寒い、空腹乾きなどが次々生まれてきます。 お覚りを開き、心の平安に至られたお釈迦さまも、肉体の悩みや束縛から逃れることはできません。 お釈迦さまの肉体が滅するとは、火が吹き消されるように一切の悩みや束縛から完全に解放され、安楽の境地となられたのだという意味でニルバーナと表現されたのです。

 亡くなられた様子を描かれた「涅槃絵」です。

 

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