先日お寺でご法事をされるために、車いすでご本堂にお参りくださった方がありました。お元気なころは、お寺の行事にもよく参加してくださっておりましたが、今は少し耳や目もご不自由のようで、ご家族が介助しながらのお参りでした。
ご家族が車いすを本堂の中央に押して来られ、ご本尊の前に座られると、はっきりとは見えておられないのだと思いますが、手を合わせ大きな声で、「なまんだぶ、なまんだぶ、なまんだぶ、ありがとうございます。」と何度もおっしゃっていました。
きっとご不自由な身であるはずのこの方の口から出るお念仏に、仏さまの働きが届いていて、またこのお方を通して、仏さまが、その声を聴くまわりの人々に働いてくださっているように感じました。きっとこの方も、誰かの称えられた「なまんだぶ、なまんだぶ」を聞いてこられたからこそ、ご不自由な身になられた今、お念仏が口からこぼれ出られるんだろうな・・・と思いました。
「有ること難き」瞬間に出遇わせてもらった、感動のひと時でした。